高血圧 治療

高血圧改善のための筋トレが逆に血圧を上げることもあるって本当?

高血圧の人、すべてが肥満傾向にあるということはないが、肥満気味の人が高血圧であることが多いというのは確かだ。肥満傾向にある人の高血圧の発症リスクは、そうでない人の3倍という報告もある。減量して1kgの体重を減らすことによって、血圧は2mmHg下がるとも言われている。

高血圧をそのままにしておくと、脳出血や脳梗塞などの脳の病気、心肥大、心不全、狭心症、心筋梗塞などの心臓系の病気、腎不全や腎硬化症など腎臓の病気などの合併症が引き起こされることもある。それらを防ぐためにも、血圧を下げるために体重を減らすこと、ダイエットは非常に有効と言える。

理屈から考えれば、1日の消費カロリーと摂取カロリーが釣り合っていれば、体重は現状維持となり、1日の消費カロリーより摂取カロリーが下回っていれば体重は減っていくはずである。毎日採る食事の量を徐々に減らして行けば、簡単にダイエットができるはずではないか。

ところがここに罠がある。食べないダイエットは確かに体重を減らしてくれる。ところが、だ。食べないことによって、今まで毎日取れていた栄養が取れなくなり、体の方は一種の飢餓状態になってしまう。それによって、少ない栄養の中から、よりしっかりと栄養を取りこもうとする力がはたらき、以前より明らかに量を食べていないはずなのに、体重は増えていく、というパラドックスに陥ってしまうのだ。俗に言う、リバウンド状態。つまり食事の量を減らすダイエットによって、自ら「痩せにくい」体をつくってしまった、というわけだ。

ある程度の食事制限は必要だが、積極的に食べないことで減量しようとするダイエットはこのように危険である。「痩せやすい」体をつくるために、必要なのが筋肉。筋肉質の人というのは、そうでない人に比べ、代謝がよく、食事をして体に取り込んだ栄養素をエネルギーとして消費する機能に優れている。ただ体重を落とせばよい、というわけではなく、運動によってほどよく筋肉をつけながら、ダイエットすることで、「痩せやすい」体をつくっていけば、高めの血圧も下がっていくことだろう。

ただ、ここで注意しなければいけないのは、いくら基礎代謝量を増やす効果があるとはいえ、急激に血圧が上がるような全力疾走や、激しい筋トレは避けた方がよい。あくまでゆったりしたペースで行う、ウォーキングやアクアウォーキングなど、20分以上つづけて行う有酸素運動ならば、いきなり血圧を上げることもなく、体脂肪を燃やしてくれるのでお勧めだ。

生活習慣にちょっとした運動を取り入れることで高血圧を改善・予防!

日頃、運動する習慣があまりなく、体型はぽっちゃり、太め、という人に高血圧症の人の割合が多いそうです。思い当たる節はありませんか。
仮に今、血圧が正常範囲内だとしても、将来高血圧になる可能性が、肥満の人はそうでない人に比べて格段に高いのだとか。健康的にウエイトコントロールして基礎代謝を高め、高血圧はもちろん、他の生活習慣病も予防しましょう。

健康的に痩せるためには、運動が一番。とは言っても、もともと運動する習慣のなかった人には、いざ運動をはじめよう、とすると途端に敷居が高く感じるものですよね。
「運動するのなら、駅前のフィットネスジムにでも登録してみようかしら……。でも、ウェアもシューズも持ってないし、もし、プールで泳ぐのだとしたら水着もゴーグルも必要よね」考えただけで億劫になってしまいがち。

そこでお勧めなのが、日常にちょっとした運動をプラスしてみる、というやり方。たとえば、毎日、買い物をするのに駅前のスーパーまで車やバスで行っていたのだとしたら、往復を歩きに変えてみる。姿勢をよくして、やや大股で歩くと、20分ほどで有酸素運動の効果が得られるのだとか。自転車漕ぎでもよいのです。その場合は少し遠出をして隣街のスーパーまで行ってみるなどしてはいかがでしょう。お掃除も自動掃除機に任せっぱなしではなく、ほうきやはたきを使って昔ながらのお掃除を楽しんでみる。食洗機もお休みして貰って、食器を手洗いしてふきんで拭いて戸棚にしまうなど、立ち仕事の時間を増やしましょう。面倒と思わず楽しむのがコツです。そうして、体を動かすことが億劫でなくなってきたら、プールなどに行ってみるのはいかがでしょう。しゃかりきに泳ぐ必要はありません。温水プールの中をゆっくり歩く(アクアウォーキング)だけでも、20分を過ぎる頃には、汗ばんできます。この汗ばんでくる、というのが有酸素運動によって脂肪が燃焼し始めたというサインなのです。

こんなことで本当に運動になるの?と不安に思う方もいるかもしれませんが、高血圧症の人に、血圧をあげるような激しい運動は禁物。ゆるやかで無理のない運動を毎日少しずつつづけることが、高血圧症を改善する、予防するために、なにより大事なことなのです。

高めの血圧を下げてくれる効果がある、スバラシイ〝酢〟のパワー!

50歳代では約半数、60歳代では60パーセント以上、70歳代では80パーセント近く……、なんの数値か分かりますか。この数字は高血圧の人の割合についてのものなのです。まさに日本の国民的病気ともいうべき高血圧。原因はいったいなんなのでしょう?いちばん多いのは遺伝だといいます。両親ともに高血圧という人の半数以上が自身も同じく高血圧であるという統計があり、この世には高血圧になりやすい体質というのがあるのです。しかし、生活習慣を見直すことで、遺伝や体質による高めの血圧を下げることはできるのです。そのひとつに食塩の過剰摂取を控えることがあげられています。

お酒を飲んでいるときなど、塩気のきいたおつまみがとくに美味しいものですよね。人間の舌は味覚に敏感ですから、一度濃い味に慣れてしまうと、次から薄味の食事を物足りなく感じるようになってしまいます。結果として、塩分過多の食生活がつづき、血圧が高くなってしまうのです。

では、どうして塩分を取りすぎると血圧が高くなってしまうのでしょうか。

食卓塩の原料表示などを見ますと、「塩化ナトリウム」と書いてあるのがわかると思います。塩の主な成分はこのナトリウムです。このナトリウムが体内に増えると交感神経や脳神経の反応が活発になり、血圧があがってしまうのです。また塩辛いものを食べると喉がからからになり水分が欲しくなりますよね。水分を多めに取ることで血液中の水分量が増え、同時に血液量も増加し、血管の圧力が高くなる。ゆえに血圧が上昇する、という仕組みになっています。

こうした理由からも、血圧を下げるためには、ぜひ塩分を控える食事を心がけたいものです。薄い味付けのものに慣れるために活用して欲しいのが、レモンやお酢など。独特の酸っぱさで味覚にアクセントを与えてくれます。とくにお酢には利尿作用があり、体内の余分な塩分を排出してくれる効果が期待できます。またお酢に含まれるクエン酸には、血圧をあげる悪要因のひとつであるストレスを緩和させる体内物質、副腎皮質ホルモンを増やす効果があります。またお酢には、脂肪の分解を促すはたらきもあるので、体脂肪が多く肥満気味の人にもお勧めです。

お酢を選ぶとき大事なのは、工業用アルコールでつくった安価な合成酢ではなく、天然の食物からできた醸造酢を購入するようにしましょう。クエン酸をはじめ、体に有用な有機物質が豊富に含まれている他、「飲んで咳き込む」ような尖った酸っぱさでなく、時間をかけて醸造したまろやかな酸味があり、風味の面でも格段に勝っているためです。

「下が高い」と言われる人に血圧を平常値に近づけるためのアドバイス

血圧には、上の血圧(最高血圧/収縮期血圧)と言って、心臓が全身に血液を送るために収縮し、動脈がもっとも膨らんだときの圧力と、下の血圧(最低血圧/拡張期血圧)と言って、心臓が拡張して、動脈が元の太さに戻った状態での二種類があります。上の血圧というのは、血圧値が正常範囲内の人手も、激しい運動をしたときや緊張したとき(〝白衣性高血圧〟と言って、白衣を着た医師や看護師に血圧を測られるとき、精神的に追い詰められて血圧が上昇する例がある)など一気に跳ね上がるときがあり、その場合の血圧の上昇については高血圧とは呼びません。

何度測っても、高いままで血圧値が変わらない場合は高血圧とみなされますが、それでも上の血圧の高さより、下の血圧の高さの方が問題視される場合は多いのです。激しい運動あの後でもなく、精神的にも落ち着いた状態である、にも関わらず血圧が高いままだということは、一気に上昇した血圧が、徐々に落ち着いて下がっていき、元通りになることとは違い、常に高い圧力の血流が血管を傷めつづけているということなのです。

血圧の「上が高い」場合は、上記で挙げたように、緊張やストレスなど心因的な理由である場合が多いので、日々の生活の中でリラックスを心がけることが肝要となりますが、「下が高い」場合は、血管の構造上のトラブルが考えられます。これを放置しておくと動脈硬化などの症状に繋がりかねません。

これを改善するためには、普段の生活で中性脂肪やコレステロールを溜め込まないようにすること。バターやチーズ、肉など脂っこいものや、アルコール、喫煙は避け、血液をサラサラにするキノコ類や繊維質をたっぷり採るようにします。

適度な運動でストレスを発散し、たっぷり睡眠を取る。これらを積極的に実行することで下の血圧を下げ、平常値に近づけることで、高血圧症による動脈硬化などの合併症などを防ぎましょう。

温泉マニアに聞く〝高血圧に効く温泉〟その上手な利用法

たっぷり湯を張った浴槽や、銭湯の広々とした浴槽に体を沈めるときの心地よさ、幸福感というのは、温かな湯に体ごとつかる、という行為が母親の子宮の中で包まれていた感覚とリンクする、というイメージにおける精神面でのリラックスもさることながら、ここ温泉大国日本には、ありとあらゆる天然の温泉があって、それぞれに効能があるのが嬉しいところ。

今日はその中から、高血圧に効く、というキーワードでの温泉成分を調べてみた。また、高血圧の人にお勧めの入用法を温泉マニアからこっそり教えてもらったので、伝授したい。

高血圧の人に効果的な温泉の成分、泉質には以下のものがある。

1. 二酸化炭素泉
炭酸を含むことから〝ラムネの湯〟と呼ばれることも。天然のものは赤褐色となることも。

2. 硫酸塩泉
無色、またはやや黄色みがかった色の温泉。独特の苦みがある。手術後の傷の療養にも効果的。

3. 硫黄泉
卵が腐ったような独特の匂いが特徴。放出されるガスは高濃度だと中毒症状を引き起こすことも。

4. 放射能泉
微量のラジウムなどを含む泉質。放射能であるため、被曝量が心配だが、免疫細胞の活性化に効果的とする学者も多数いる。

5. 単純温泉
無色無臭で肌あたりがやわらかい。

これらの泉質を持つ温泉を選んだ上で、高血圧症の人にお勧めなのが、このような入浴法だ。

1. 微温浴
36度〜38度くらいのぬるめの湯に長く浸かることを、一日に一、二回繰り返す。それを最低でも二週間か、それ以上つづけることによって、収縮期、拡張期ともに血圧の低下が期待できる。長く浸かることによって、温泉中に含まれる有効成分を皮膚から吸収することもできる。

2. 寝湯
36度〜38度くらいのぬるめの湯を張った浅めの浴槽に20〜30分横たわる。リラックス作用があり、不眠症にも効果的。

3. かぶり湯
頭部や首筋に温泉をかけることで、血圧の上昇を防止する。スパ施設によっては頭部や首筋に直接当たるように温泉水が出てくる専用器具もある。

このように高血圧に効果が高い温泉だが、血圧がきわめて高めの人は医師の指示を仰ぐなど露医が必要。また、高血圧の人にとって、大気と湯温の温度差は大敵なので、寒冷地は避け、できるだけ温暖な温泉地を選ぶことが望ましい。

自覚症状もなく進行するこわ〜い高血圧を予防する、生活習慣の心得

自覚症状がないため、サイレントキラーとも呼ばれる高血圧のおそろしい合併症についてレクチャーしながらその予防方法を伝える。

高齢者の大多数が高血圧症か高血圧予備軍であると言われる現代。あまりにありふれた症状で、いざ、発症したとしても、「それだけ大勢の人が高血圧になっているというなら、すでにいろいろな研究が試みられていて血圧を下げるよい薬もあるでしょうから心配いらないわ」などと勝手に大船にでも乗ったつもりで構えてしまうのは非常に危険です。高血圧は別名サイレントキラーと言って、自覚症状がほとんどないまま、どんどん病状がすすみ、他の病気との合併症を引き起こします。それが死に至る大きな病気の前触れになることも多いので注意が必要なのです。たとえば……。

1. 糖尿病
併発することで血管障害が進みやすくなり、脳卒中、心筋梗塞などの危険性も高まってしまう。

2. くも膜下出血
血圧の急上昇により引き起こされやすい病気。

3. 狭心症
動脈硬化によって血流が一時的にストップしてしまうことで起こる症状。安静にしていれば治まるが、心筋梗塞につながることも。

4. 高血圧網膜症
網膜に出血や白班などが現れ、視力障害を引き起こす。失明に至ることもある。

5. 間欠性跛行
足部分の末梢動脈が硬化し、足先への血液が流れにくくなり、歩行に支障を来す。そのまま放置すると足が壊疽してしまう。

このような恐ろしい症状にならないために、高血圧の予防策が必要となります。

具体案としては、
1. 肥満傾向の人は体重を減らす。血圧を下げる効果が期待できる。
2. 余裕を持って行動するようにする。イライラセカセカは血圧上昇の元。
3. 塩分のつよい食事を避ける。
4. 適度な運動でストレス発散と代謝を促す。
5. 休養をたっぷり取る。

いかがですか。簡単なことばかりでしょう。これらの生活習慣を自然に身につけ、こわ〜い高血圧を予防しましょう。

おだやかに作用し、高めの血圧を徐々に下げていく漢方薬のパワー

血圧が正常範囲内を超えて極めて高く、高いままの状態でキープされている状態を高血圧症という。基準としては、最高血圧(収縮期血圧)で130mmHg 未満、最低血圧(拡張期血圧)で85mmHg未満が正常範囲なので、上が140〜150mmHg台、下が90mmHg台で高血圧予備軍、上が160mmHg以上、下が100mmHg以上で高血圧症ということになる。体内のあらゆる血管に負担をかける高血圧は、糖尿病や脳卒中、その他心臓疾患などの合併症を引き起こしやすい危険な症状だ。治療としては血圧を下げる効果のある降圧剤の処方をされることが多い。降圧剤には主に以下の六種類、さらに、その六種類のうち二種類以上を併せた合剤とがある。

・カルシウム拮抗薬(ジヒドロピリジン系/ベンゾチアゼピン系)
血管の中の筋肉を収縮させるカルシウムの力を抑制し、血管の収縮を防ぎ、血圧を下げる。

・ アンギオテンシンII受容体拮抗薬
血管の収縮や、緊張や興奮などによる副交感神経の高ぶりを抑制し、利尿剤と併用することにより、血圧を下げる効果が得られる。

・ ACE阻害薬
合併症の予防に効果がある。

・ 利尿剤(サイアザイド系/ループ利尿薬/アルドステロン拮抗薬)
体内に蓄積されることで血圧を上昇させるナトリウムの排出を利尿によって促す。
・ β遮断薬
緊張、ストレスによって分泌されるホルモンの活性化を抑制。心拍数を抑え、血圧を下げる。

・ α遮断薬
緊張、ストレスによって分泌されるホルモンの活性化を抑制。心拍数を抑え、血圧を下げる。

これらの薬剤は、西洋薬と言われ、効き目が早く、血圧を下げる効果もてきめんだ。が、しかし、体質によっては残念ながら、副作用があることも報告されている。

そこで昨今、注目されているのが、漢方薬。目に見えた素早い効果は実感しずらいのが難点だが、血圧の高い人にありがちな体質を根本から見直し、おだやかに改善していく。なにより嬉しいのは、副作用も比較的少ないという面だ。処方される人の体力面を考慮した上で調合された漢方薬も各種あるが、症状の軽い高血圧予備軍の人や、予防の意味でなら、柿の葉やドクダミ、ルイボス茶などのお茶をお勧めする。毎日飲むことを習慣づければ血圧の上がりにくい体にしてくれる効果が期待できる。

血圧高めの人にありがちな食事習慣を見直し、改善する努力を!

過度のアルコール摂取や、過食を抑えられない……。そうした人の背景に、精神的ストレスがあることは否めません。ストレスを、運動や趣味などで発散できたらよいのですが、忙しくてそんな時間も捻出できない、となると、簡単な気晴らしは、時間帯や栄養面を無視して、食べたいものを食べたいだけ食べる、お酒も飲みたいだけ飲む、ということくらいしか残っていないかもしれません。

日頃、まったく運動をせず、ストレスが貯まっていて、暴飲暴食に走りがち……、となれば、生活習慣病へまっしぐら!なのは目に見えていますよね。概してお酒がすすむような、おつまみは塩分が強めで、野菜や果物も積極的に採ろうとしなければ飾り程度にしかついてきませんので、糖質、脂質、動物性たんぱく質に栄養が偏りがち。過度な飲酒に加えて喫煙もする、となれば高血圧のリスクがグンと跳ね上がります。とは言え、気のおけない仲間との楽しい食事がストレス発散の源なのだとしたら、それを利用して、食事内容を見直すことで、血圧を下げる努力をしてみませんか。

まず、アルコールですが、ほどほどの摂取量ならば、むしろ血圧を下げる効果も期待でき、動脈硬化、心筋梗塞などの重篤化を防ぐメリットもあるようです。くれぐれも飲み過ぎには気をつけて、日本酒一合か、ビール中瓶一本位を目安に楽しみましょう。

塩分を控えることが鉄則。とは言え、居酒屋などで「味付けを薄く」などとはなかなか言いにくいもの。それでは、+の調味料をなしにしましょう。からあげの端に盛られたマヨネーズ、ケチャップ、揚げ物のソースなどはつけず、代わりにレモンなどで味を補うと体の調子を整えるビタミンCも一緒に補給でき、一石二鳥です。外食で不足しがちな食物繊維、ビタミン、ミネラルを積極的に採るようにしましょう。野菜や海藻のサラダ、デザートにフルーツなどをつけると満腹感も増します。

吸収消化を妨げるため、夜九時以降は食べない。早食いをやめてゆっくりよく噛んで食べることも、十分な栄養素を取り込み、過食を抑える点での重大なポイントです。

急激な血圧の上昇を引き起こす喫煙のリスクを理解する

映画やドラマ、ミュージックシーンで、俳優や女優、アーティストが格好良く紫煙をくゆらしていたのは、今やもう昔の話。レストランやカフェでも分煙どころか、全室禁煙を謳うところが増えて来ました。愛煙家にはすっかり暮らしにくい世の中になってしまいましたね。

それでも、禁煙なんてまっぴらごめん!と生活からタバコを切り離せない人の言い分を聞きますと……

「喫煙していると、不思議と太らないのよね。若いときの体重を今もキープしているわ。大食いだし、甘いものも大好きなんだけど」。これは、女性には嬉しい効果ですね。しかし、太らないのには理由があるんです。それもけっして体のためにはならないという理由が……。妊娠中のお母さんが喫煙をしていると、体内の赤ちゃんは小さめで生まれてくることが多いのです。それは母親の喫煙によって、栄養分がうまく行き渡らないため。喫煙は、体内に栄養素を取り込みにくくします。女性に憎まれがちな脂肪や糖分だって、他の栄養素との結びつきで元気に体を動かすためのエネルギーになってくれます。喫煙の習慣は、スリムな体型とひきかえに大事な健康をみすみす手放してしまっていることにもなるのです。

「仕事や家庭で溜まったストレスの解消にはもってこい。タバコの箱もライターも小さいから、持ち運びには便利だし、何かをしながらでも気軽に吸えて、イライラした気持ちが、すぐに落ち着くところが嬉しい」。確かに、喫煙可能なところでさえあれば、何かをしながらでも、気軽に喫煙できますね。しかし、なぜ、さまざまな病気のリスクを持つ喫煙にイライラした気持ちを鎮め、リラックスさせる作用があるのでしょうか。

タバコに含まれるニコチンには、アドレナリン、ノルアドレナリンというホルモンの分泌を活性化させる効果があります。どちらも神経を興奮させる作用があり、集中力を高めたり、痛みの感覚を鈍くする効果もあります。交感神経を刺激してある種の快感を呼ぶのと同時に心拍数をあげ、血圧が高い状態をキープしてしまいます。もともと高血圧でない人が、喫煙により瞬時に高血圧状態を作り出してしまうのです。それが常態化すれば本格的な高血圧に繋がりかねません。

ささいなメリットより、はるかにデメリットの方が多い喫煙習慣。早いうちに禁煙することで、10年後、20年後の健康を維持できるということをよく知っておきましょう。

糖尿病と高血圧の症状を早めに改善し、第三の合併症を未然に防ぐ

猛烈な喉の渇き、頻尿などの症状が出る場合もあるが、自覚症状がほとんどないまま進行することも多いと言われる糖尿病。病名の由来は、17世紀の医学者、トーマス・ウィリスが、当時のヨーロッパで流行していた、頻尿および多尿症状の患者たちの尿の成分を調べたいと、実際に尿を舐めてみたところ甘かった、ということに由来しているとか。

この糖尿病が進行すると、体内の小さな血管が少しずつ蝕まれていき、目、腎臓をはじめとする、さまざまな臓器に重大なトラブルを発症することになる。

このような糖尿病を予防するために、日頃から心がけていきたいのが、食べ過ぎを控え、適度な運動をすること。運動不足と肥満は、すい臓から分泌されるインスリン(血糖値を下げるホルモン)のはたらきを低下させてしまう。また、ストレスによってもインスリンの分泌は弱まってしまうので、日頃から上手な気晴らし、ストレス発散法を見つけておきたいものだ。

また、糖尿病を発症している人の半数以上が、高血圧症をも併発しているという。血糖値が上がることにより、血液がドロドロの状態になり、血管に負担をかけるため、結果として血圧が上昇してしまうのである。この二つの合併症により、懸念されるのは、さらなる第三の合併症、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こすリスクがより高くなるということだ。
糖尿病も高血圧と同じく、遺伝性の病気と考えられがちだが、糖尿病自体が遺伝されるわけではなく、上で示したような生活習慣の遺伝が糖尿病を引き起こしやすいと考えられている。糖尿病、高血圧症を予防するためには、なにより、まず生活習慣を見直すことが肝要なのだ。